スクラッチ

要点

  • スクラッチとは、既製の製品やテンプレートを使わず、要件定義から設計・開発まですべてゼロから作る形態です。
  • 自由度は5つの選択肢の中で最も高い一方、コストと開発期間も最も大きくなりやすい方法です。
  • 他に代わりが利かない独自性の高い業務や、既存の製品では要件を満たせない場合に選ばれます。

スクラッチとは

スクラッチ開発(フルスクラッチ開発とも呼ばれます)は、既製のパッケージやテンプレートを土台にせず、自社の要件に合わせてシステムをゼロから設計・実装する開発手法です。

「画面のレイアウト」「業務ロジック」「データベースの構造」まで、すべてを自由に決められる代わりに、その分すべてを自分たちで考え、作り、責任を持つ必要があります。

スクラッチの仕組み

スクラッチでは、既製品のように「すでにある機能を選ぶ」のではなく、システム開発の工程をすべて自社(または委託先)で一から進めていきます。

要件定義
設計
開発
テスト・
リリース

ぽち先生のヒント注文住宅を建築家と一から設計して建てるイメージです。間取りも素材も自分の望みどおりに決められますが、その分、時間もお金もかかります。

メリット

  • 業務フローや画面デザインを、自社の実態に完全に合わせて作り込める。
  • 将来の機能追加や仕様変更に対して、制約を受けにくい。
  • ライセンス費用がかからず、既製品の仕様変更に振り回されることもない。

デメリット

  • 要件定義から設計・実装・テストまで、すべてに時間と費用がかかる。
  • 開発したシステムの保守・運用も、すべて自社(または委託先)の責任になる。
  • 担当したエンジニアが異動・退職すると、仕様がブラックボックス化しやすい。

向いているケース

スクラッチは、次のようなケースで検討される選択肢です。

  • 競合他社にはない独自の強みとなる業務プロセスをシステム化したい場合
  • 既製のSaaSやパッケージでは、どうしても要件を満たせない場合
  • 長期的に自社サービスとして育てていきたいシステムの中核部分

逆に、一般的な業務にまでスクラッチを選ぶと、コストと期間の負担だけが大きくなってしまうことが多いため注意が必要です。

実務で気をつけたいポイント

技術的負債が蓄積しやすい短納期を優先して設計を省略すると、後から機能追加や修正のコストがどんどん膨らんでいく。
セキュリティ対応の全責任を負う脆弱性対応やアップデートも含め、守りの部分をすべて自社(または委託先)で担う必要がある。
内製エンジニア体制を見極めてから選ぶ開発だけでなく、長期的に保守できる体制(自社エンジニアや信頼できる委託先)があるかを事前に確認しておく。

まとめ

スクラッチは、ゼロから独自にシステムを作り上げる、最も自由度の高い選択肢です。その分コストと期間もかかるため、他の選択肢では実現できない独自性が本当に必要かを見極めることが重要です。

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